ある日の外来での出来事
看護師 「○×様、今日は採血がありますのでこちらへどうぞ。」
患者○× 「今日も採血があるんですか?この間も何か採血したのに・・・。」
看護師 「この間とは別の検査の採血なんですよ。」
患者○× 「はぁ・・・そうなんですね・・・・・・。」
こんな光景、実は採血室でよく見られます。
採血されるのが好きな人なんてあまりいないですもんね(苦笑)
妊婦さんはお産までに何回か採血しますが、『なんで何回も採血するの?』と思っていませんか?
今回はこの疑問にお答えしたいと思います。
妊婦さんの採血で調べているのは、多くは貧血についてです。
ヘモグロビンの濃さが11g/dl未満で貧血と診断され、妊婦さんは貧血になりやすいのでよく検査をしているのです。
ではなぜ貧血になるのか?についてもお話します。
妊娠するとお母さんだけでなく、お腹の中の赤ちゃんにもお母さんは栄養と酸素を与えます。
それを運ぶのがお母さんの血液なので、お母さんは妊娠前より多くの血液が必要となります。
しかし、血液の量は増えても、栄養や酸素を運ぶ赤血球の量はそれほど増えません。
しかも、赤血球の成分の一つであるヘモグロビンを作る鉄分が、お腹の赤ちゃんへより多く使われるので貧血になりやすいんです。
貧血は、そのままにしておくと赤ちゃんに十分な酸素や栄養を送れないですし、お産の時お母さんが出血しやすくなることがあるので、気をつけないといけません。
貧血の予防や改善には、①鉄分を多く含んだ食品をできるだけたくさん食べる、
②ビタミンCやビタミンB₆やB₁₂、葉酸を一緒に摂る(ビタミンCは鉄分の吸収をよくし、ビタミンB₆やB₁₂、葉酸は赤血球をつくるのに必要です)がポイントです。
貧血が気になる方はこの二点に気をつけ、バランスよく食べるようにしましょう。
鉄を多く含む食品
鉄やビタミンC、葉酸などはサプリメントもあるので、これらを利用するのも手軽で便利ですね。
当院の受付でも鉄や葉酸のサプリメントを取り扱っているので、気になる方はお問い合わせください。