入院中の患者さまをお世話する
ルームセクレタリー。
わたしたちが日々であう、こころとこころのお話。
それをちょっとご紹介。
ある日のこと。
あまがせ産婦人科の病棟ラウンジの椅子に
不安そうな表情の女性が、一人でおられました。
「どうかしましたか?」
「じつは、嫁が陣痛で入院したのです」
「とても苦しんでいるので、なんとかしてやりたいのだけど。
わたしは自分が帝王切開だったから、陣痛のときに
どうしてやればいいのか、わからなくて・・・・・」
なるほどな~~。
不安そうなお顔は、そういうわけか。
それにしても、なんて優しいお義母さん。
話しているうちに、しくしくと泣き始めてしまいました。
「なにもしてあげなくても、大丈夫。
本当の娘のように、心配してくれるだけで
お嫁さんはどんなに嬉しいか!」
お義母さんは、それを聞いて
少し安心されたような顔を、してくださいました。
その日、お嫁さんは無事に出産。
翌日、お部屋へお祝いへいき、昨日のことを話しました。
すると、今度はお嫁さんが、しくしくと泣き始めたのです!
「じつは義理の母とは、うまくいっていないと
思い込んでいました。
まさか、母がわたしのことをそんなふうに
心配してくれていたなんて」
ほんとうに、人の「こころ」と「こころ」って
すれ違いやすいのですね。
でも、こんな偶然で、また結ばれることも。
5日後、退院するお嫁さんに、手作りのカードを渡しました。
それは、お嫁さんとお義母さんと赤ちゃんが並んだカード。
「時間がたてば、またケンカすることもあるでしょう。
そんなときは、このカードをみて
あたたかい気持ちを思い出してくださいね」
お嫁さんはすてきな笑顔で、いってくださいました。
「ほんとうに、ありがとう」
あー、こんな日は、とってもすばらしい日。
いつもは、ちょっとしんどい階段の上り下りだって
スキップがでちゃいます。
感動と幸せをわけてくださったすてきなお二人に
ルームセクレタリーからも、感謝!!