ドクターズ・コラム

2017.07.06 / ドクターズコラムについて, 無痛分娩, 自然分娩

自己紹介と私の想い

院長の吉冨です。
ホームページがリニューアルしたことでこのコラムが誕生しましたが、まずは私のことについて少し自己紹介と産科医療への想いを書きたいと思います。

 

婦人科医ではなく産科医を志した経緯

医師という職業は多くの場合、医局というところに所属して、教育を受けたり、研究を行い、そこからそれぞれの道に進むというプロセスを踏むことが多いです。
私も例外ではなく、九州大学の産婦人科教室に入局し、周産期センターや高次医療施設で産婦人科医療を学んできました。
そういった研修施設では、ハイリスクな妊娠や出産の管理を行うことが多く、時には目を覆いたくなるような現場にも幾度となく遭遇しました。
妊娠・出産は母児ともに元気であるのが当たり前だという概念は覆され、どうしたら母児ともに元気に、そして当たり前に見送ることができるのか、ということを考えるようになりました。

 

産科に必要な知識と技術

産科では体調が変化しやすい妊婦さん本人の健康維持、直接見ることのできないお腹の赤ちゃんの状態把握、何が起こるかわからない分娩の管理、生まれてきたばかりの赤ちゃんのケアなど様々な知識や技術が必要となります。
残念ながら、現在の日本での産婦人科教育だけではこれらの知識や技術は習得できません。
例えば命にかかわるような妊婦さんの救急管理や緊急で行わなければならない帝王切開時には、全身管理や麻酔管理に長けた麻酔科の知識や技術が必要となります。
また、生まれてきたばかりの赤ちゃんのケアには新生児科の知識や技術が必要となるのです。
大学病院や高次医療施設では通常、麻酔科医もいますし、小児科(新生児科)医もいます。ですので、産婦人科医がその知識や技術を習得する必要性がなく、そもそも学ぶ機会もありません。

 

日本のお産事情を考え、必要な技能を習得して環境を選ぶ

そんな中で、日本でのお産というのは海外と違い、約半数、、、つまり年間約50万人もの妊婦さんが一次医療施設(いわゆる開業医と言われる医院や病院)でお産をされます。
つまり、多くの妊婦さんや赤ちゃんを元気に出産させるためには、地域医療の要である一次医療施設できちんとした、安全で快適なお産を提供できるようにする必要があるのです。
そこで私は、まだ移転する前の福岡こども病院で新生児管理を学び、埼玉医科大学総合医療センターの麻酔科で産科に特化した産科麻酔と全身管理を学びました。そして、高度な産科知識も習得し、周産期(産科)専門医、麻酔科標榜医を取得して、地域の産科医療をより良くするべく、現職に就いた次第です。

 

当院で実現できることと今後の努力

産婦人科の教育だけでなく、新生児科、麻酔科の教育を受けるにあたり、妊婦さんや赤ちゃんの管理の幅が広がっただけではなく、安全性の向上や様々なニーズにお応えすることができるようになりました。
母児ともに元気に送り出す。そんな当たり前のことが、当たり前にできるように、より一層病院を挙げて研鑽をしていきたいと思っています。

 

必要に応じてより適切な医療を受けられるために

しかし、現在は社会情勢などから高齢の妊婦さんが増え、また、医療の進歩に伴い不妊治療の恩恵を受けられるようになったり、合併症を持っていても妊娠・出産ができるようになってきています。さらに、赤ちゃんに何らかの異常が発生する確率も約5%程度存在します。
そういった高度な産科医療を必要としている方が必要な医療を受けられるよう、しかるべき病院に紹介することも我々の役割であります。

 

最後に

私の想いは、地域の皆様が新しい家族を迎えるにあたり、最善のスタートがきれるよう、病院が一丸となってサポートすることです。
今年の4月から赴任してきたばかりではありますが、どうか皆様よろしくお願いいたします。

 

吉冨智幸(よしとみ ともゆき)
あまがせ産婦人科院長。 産婦人科専門医 、周産期専門医。
福岡大学医学部を卒業し、九州大学産科婦人科学教室入局。
その後、福岡、大分の周産期センターで研鑽し、福岡こども病院で新生児管理を学び、埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科で産科に特化した麻酔管理を習得。
産科、新生児科、麻酔科の知識・経験を兼ね備えた周産期医療のスペシャリスト。

SHARE →

この記事を読んでいる方には以下の記事もオススメです