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外来診療・妊婦健診費用のご案内
当院では、産科診療を中心に婦人科診療を行っております。
福岡市近郊(春日、大野城、太宰府、筑紫野、那珂川)の方はもちろんのこと、遠方の方も大歓迎です。
お気軽にお問い合わせください。
産科
妊婦健診はもちろんのこと、持病や不安を抱えている妊婦さんの管理、お腹の中の赤ちゃんの検査(出生前診断)、それぞれに合った分娩スタイルの提供、専門スタッフによる無痛分娩の管理をお産のスペシャリストがご提供いたします。
また、産科の専門医によるドクタークラスも開催しており、正しい知識をもって妊娠ライフをエンジョイできます。
妊婦健診、妊娠時の診察、ご相談は産科外来にお越しください。
妊婦健診の流れ(一例)
母子ともに健康であるためには、
10ヶ月間の定期健診が大切です。
- 妊娠初期(5~6週)
- 初診 超音波、子宮頸がん検診
- 2~3週後(8~10週)
- 妊婦健診(第1回)超音波(児心拍の確認、予定日決定)、母子手帳発行
- 11~13週
- 胎児スクリーニング、超音波(児心拍の確認)、血液検査、保健指導
- 16週頃
- 妊婦健診(第2回)
- 20週頃
- 妊婦健診(第3回)胎児スクリーニング、保健指導
- 24週頃
- 妊婦健診(第4回)クラミジア検査
- 26週頃
- 妊婦健診(第5回)血液検査
- 28週頃
- 妊婦健診(第6回)
- 30週頃
- 妊婦健診(第7回)胎児スクリーニング
- 32週頃
- 妊婦健診(第8回)保健指導
- 34週頃
- 妊婦健診(第9回)
- 36週頃
- 妊婦健診(第10回)、NST(ノンストレステスト)、GBS培養検査
- 37週頃
- 妊婦健診(第11回)、NST(ノンストレステスト)保健指導
- 38週頃
- 妊婦健診(第12回)、NST(ノンストレステスト)
- 39週頃
- 妊婦健診(第13回)、NST(ノンストレステスト)
- 40週以降
- 妊婦健診(第14回)、NST(ノンストレステスト)、GBS培養再検査
妊婦健診の費用について
- 妊婦初診料
- 6千円
- 妊婦再診料
- 2千5百円
- 補助券終了後の妊婦健診再診料
(分娩予定日超過など) - 1千円
- 妊婦健診料(差額)
- 健診1回あたり0円~3500円 ※1 ※2 ※3
※1福岡県広域連合の受診券(14回分あり)1回使用ごとに1回0円から3500円までの差額費用が発生します。使用する受診券が何回券であるかによって窓口での支払額が変動します。福岡県の受診券は券1枚1枚が均一の公費補助額ではなく14枚の券それぞれに公費補助額が異なるからです。
※2「妊婦健診受診券毎の費用」PDF参照してください。(妊娠期間の差額総額:3万2100円)
※3福岡県では全部で14回分の公費負担があり、公費が計 10万8470円(令和5年度) 利用できます。妊婦健診の内容が妊娠週数に より異なりますので公費負担を差し引いた自己負担金額を差額徴収します。公費負担額は住民票のある市町村により異なります。
※健康保険を使用する主なもの
①GBS検査以外の帯下(おりもの)に関する検査
②疾患があるか疑われる場合の超音波検査や採血検査等
③疾患の治療に使用する処置・薬剤
④産科手術の為の術前検査(帝王切開等)
前受金(分娩予約金)5万円
(妊娠32週までに福岡銀行へ振り込みをお願いしております)
- 当院で分娩を希望される方に前受金(分娩予約金)の納付をお願いしています。
- 医学的理由でやむなく転院し他院分娩となる場合は前受金を返金します。
- 自己都合で他院で分娩される場合は前受金は返金いたしません。
オプション検査
妊娠40週以降に追加で行われるB群溶連菌検査(GBS検査) (すでに1回目のGBS検査で受診券を使用している場合) |
600円 |
トキソプラズマIgG/IgM検査 | 4760円 |
サイトメガロウイルスIgG/IgM検査 | 7340円 |
クアトロテスト 検査料 | 36720円 |
4D撮影代金(診察室以外で行う) | 当院出産の方 無料(3回目から500円) |
他院出産の方 1回1000円(2回まで) |
|
帝王切開時卵管結紮不妊手術 | 6万円 |
風疹IgG抗体アビディティー(Avidity)検査 | 2万円(SRL) |
トキソプラズマIgG抗体アビディティー(Avidity)検査 | 2万円(SRL) |
サイトメガロウイルスIgG抗体アビディティー(Avidity)検査 | 4万3千円(共同医学) |
流産手術・人工妊娠中絶手術について
「手動真空吸引法」(MVA)を
用いた手術について
当院では主に「手動真空吸引法」という最新の医療器具を用いた流産手術を行っています。
この「手動真空吸引法」という方法はWHOの推奨する吸引式子宮内容除去術の中でも、最も安全性が高いと言われている方法です。日本では2015年より厚生労働省の認可がおりた、最新の医療器具ですが、そのメリットゆえに、厚労省に認められ、既に2018年度から「手動真空吸引法」を用いた流産手術には医療保険の適用になっています。(中絶手術は自費となり保険はききません)この器具は柔らかく加工したポリプロピレン樹脂製器具です。従来の方法のように、金属の器具で子宮内をこすらないので、子宮内膜や子宮筋層を傷つけにくいのが特徴です。当院ではとても女性の体にやさしい手術法と考えております。器具が柔らかく子宮表面にやさしいため手術後の痛みも従来に比較し少ない印象です。器具が柔らかいので、子宮穿孔や手術後の不妊などが起きにくいのではないかという説もあります。欠点は器具自体が非常に高価であることです。当院では、患者さんのお体の副作用をできる限り減らしたい思いが強く、あえて「手動真空吸引法」による流産手術・妊娠中絶手術を行っています。「手動真空吸引法」をご希望の患者さんは外来で担当医師にご相談ください。
妊娠初期の人工妊娠中絶の手術費用は妊娠週数によりますが約11万円から約13万円です。詳細は下記に示す「人工妊娠中絶料金表PDF」をご覧ください。(消費税込み)
妊娠中期の妊娠中絶について
当院では妊娠12週から妊娠20週までの人工妊娠中絶をお引き受けしています。
中期中絶の入院期間は最短3~4日間ですが7日間以上かかる場合もあります。妊娠中期の人工妊娠中絶は妊娠初期に比較しリスクが高いです。中絶処置により子宮破裂や子宮頚管裂傷や重篤で異常な子宮出血が発症する場合があります。子宮切開術や子宮摘出術や子宮動脈塞栓術や輸血を行うことがあります。このような重篤な合併症が生じた場合は高次病院に転院して治療が必要になり、当院での中絶処置は中止となります。妊娠中期の中絶費用は出産育児一時金制度と直接支払制度をご利用いただく場合には差額として5万円程度の手出し費用がかかります。(入院期間3日間の場合)
但し前置胎盤や胎児の向きの異常によっては当院でお引き受けできないこともありますので外来で担当医師にご相談ください。
経口妊娠中絶薬メフィーゴ®パックについて(処方する場合は当院に近い場所に在住していることが条件です。具体的には筑紫地区5市や福岡市を想定しています。)
2023年に新たに国内で承認された経口妊娠中絶薬 「メフィーゴ®パック」。人工妊娠中絶を薬で行う「経口中絶薬」です。イギリスの製薬会社「ラインファーマ」の製品です。妊娠9週0日以下の妊婦が対象となっています。ここでの妊娠9週という妊娠週数は医師が超音波検査で正確に胎児のサイズを測定することで求められた正確な妊娠週数となります。単に最終月経から単純計算で算出した妊娠週数ではないことをご理解ください。
海外では30年以上前から普及し始め、G7先進7か国でみると、承認されていないのは日本だけとなっています。
経口中絶薬とは従来の外科的な中絶手術ではなく、口から入れて人工妊娠中絶を行う薬です。2種類の薬を2段階に分けて順番に服用します。
第1剤は妊娠の進行を止め、第2剤は子宮収縮を起こします。第1剤服用後の36時間から48時間後に再度医院に来院し、次の第2剤を服用する2段階の投薬となります。第2剤服用後は4時間後に63%、8時間後に90%、24時間後に93%に、胎嚢の排出を認めています。(国内第Ⅲ相試験結果)
少なくとも胎嚢が排出され、子宮出血量が低下し感染症の兆候がないと確認できるまでは当院で持続的に入院管理します。もしもこの中絶薬の投薬で胎嚢の排出がみられない場合には従来の器械的な人工妊娠中絶術を行います。また子宮内に子宮内容物遺残がある場合には子宮内容清掃術を行います。どちらの場合でも当院では安全性の高い手動真空吸引法(MVA)で原則行います。経口中絶薬は日本国内ではまだ認可されたばかりの新薬であるため、投薬を受けるかたは安全性確保のため第2剤服用後は医院に入院せねばならないと決められており、有床診療所か病院での処方となります。
日本のPMDA(医薬品医療機器総合機構)によりますと、この中絶薬は65か国以上の国で承認されています。
世界各国で人工妊娠中絶を経口中絶薬を使う割合は、フィンランド98%、スウェーデン96%、イギリス87%、フランス70%、米国51%、ドイツ32%でした。(2019年~2021年各国統計より)
WHO(世界保健機関)は経口中絶薬について、「安全な方法」としていて、2005年には、広く使用されるべき薬として「必須医薬品」に指定しています。
この薬の危険性として、重度の子宮出血や感染症がまれに起こること、有効性については、この中絶薬の投薬を行っても結局中絶できない場合があること、が挙げられます。
このため必要な時期の外来受診や入院管理について同意いただける方にのみ処方しています。
まれですが失神などを伴う重度の子宮出血が起きた場合は輸血や救命処置のため高次病院に転院することがあります。
重篤な子宮内膜炎が発症し敗血症や中毒性ショック症候群になり死亡例があることをよく認識していただき、投薬前にリスクのご了解をいただきます。第1剤の処方後であっても体調に異変がおきれば、診察結果に応じて、すぐに入院していただく場合がございますのでご了承ください。第2剤内服時は入院しての投薬(口腔内バッカル投与:左右の臼歯の歯茎と頬粘膜の間に2錠ずつ挟み込み30分間静置してゆっくり薬を溶かす)となります。
経口中絶薬による中絶法は必ずしも最適とは限りません。従来の手術による中絶の方が中絶時期や退院時刻が明瞭であり、日本国内での安全性の評価も確立しています。利点や欠点をよくお考えになり中絶法を選択してください。
※経口中絶薬の国内治験やそれと同条件のメタアナリシスでは、有効性は96.7%とされている。追加で手術を要した割合は1.8~4.2%とされている。
副作用頻度は、輸血を要する出血が0.03%~0.6%、重症感染症が0.01~0.5%となっている。経口中絶薬の導入は子宮奇形や子宮筋腫合併妊娠の手術合併症の減少が見込めるかもしれない。経口中絶薬は麻酔合併症リスクや手術合併症リスクを回避しやすく子宮への負担が少ない中絶法ではあるが、薬剤の副作用や運用の煩雑さを考えると従来の手術法に完全にとって代わるほど優れた治療法とは言えない。経口中絶薬か手術かの選択は、患者の事情に応じて医師が適切な方法を提示し、患者自らが正確な情報を得たうえで選択すべきである。(日本産婦人科医会医会報令和5年6月号より抜粋一部改変)
- 月経異常(痛み、月経不順、量が多いなど)
- 不正性器出血
- おりものの異常(におい、量、色の変化など)
- デリケートゾーンのかゆみ、不快感
- 子宮筋腫、卵巣腫瘍の定期検診
- 婦人科がん検診(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん)
- ピル処方
- 緊急避妊(性交後72時間以内)
- ブライダルチェック(性感染症のスクリーニングセット検査)
- 月経日移動のご相談
- 婦人科企業検診 (アシュラン様、自衛隊様、文祐会原病院様)
- 子宮頸がん自治体検診(春日市・大野城市・福岡市など)
※当院はお産を扱っているクリニックであるため、婦人科診療に関する外来診療で大変お待たせする場合がございます。あらかじめご了承のほどよろしくお願いいたします。
当院の生理痛の治療について ≪月経困難症≫
はじめに
生理痛を我慢して「迷走神経反射」を起こし失神される患者さんがいます。生理痛を我慢しても学校での勉強やスポーツにも会社での仕事でも能率が悪くなり良いことは一つもありません。
生理痛がある場合に薬を飲まずに我慢して放置すると、原因が子宮内膜症であった場合には「凍結骨盤」と呼ばれる激しい骨盤内の癒着が起きて難治性の下腹痛に苦しむことになります。生殖年齢の女性(思春期~閉経期)の5~10%が子宮内膜症を持っていると言われています。また、慢性骨盤痛や生理痛がある思春期女性の6割に、腹腔鏡検査で子宮内膜症が見つかったと報告されています。
子宮内膜症が見つからなくとも、生理痛を我慢することに何の利益もありません。生理痛に対して薬を飲むと薬に耐性ができてしまい、徐々に鎮痛薬が効かなくなるので、なるべく飲まない方が良いと思っている患者さんがいますが大きな誤りです。鎮痛薬を服用しても耐性ができることはありません。鎮痛薬やLEP剤などを使用して無駄な痛みをとり、皆さんの生活に質を上げて豊かな人生を過ごしてください。
月経困難症に用いる黄体ホルモン剤の種類について
黄体ホルモン剤の種類は4種類あり、開発された古い順に第1世代~第4世代と呼ばれます。第1世代はノルエチステロン(NET)、第2世代はレボノルゲストレル(LNG)、第3世代はデゾゲストレル(DSG)、第4世代はドロスピレノン(DRSP)です。この4種類の黄体ホルモンの違いは、アンドロゲン作用の強さの違いで、世代が進むにつれて、NET⇒LNG⇒DSG⇒DRSPの順に弱くなります。
アンドロゲン作用とは、食欲増進、体重増加、多毛、ニキビなどをいいます。LEP製剤では、含有量が低用量なので、副作用として現れることはどの世代でも少ないですが、副作用の出方により、黄体ホルモンの種類でLEP製剤を選択すると、患者さんご本人に一番合った薬が選べます。医師は、患者さんの体質や症状を考慮して、アンドロゲン作用の強さが異なる黄体ホルモン剤を選択しています。アンドロゲン作用とは男性ホルモンの女性の体にも作用を言います。女性の卵巣でも男性ホルモンが合成され、女性ホルモンに変換されます。また、男性ホルモンは、女性の体内で筋肉量を増やし、骨密度を高める効果があるとされています。女性におけるアンドロゲン不足は、卵胞発育の障害、性機能の低下、骨密度の低下、認知機能の低下、心血管疾患リスクの上昇、気分の障害など様々な病態が認められます。
月経困難症の検査
超音波検査 クラミジア検査 淋菌検査 細菌培養検査 MRI検査 CT検査 など「内診」「内診台検査」「経腟超音波検査」は無理やり行うことはありません。希望されない患者さんは事前にお知らせください。MRI検査やCT検査で内診検査の代用を行っています。
月経困難症の治療
1.NSAIDs療法
月経期間中(月経開始日より月経第5日目まで)に規則的にボルタレン錠を服用します。気管支喘息の患者さんは強い喘息発作が誘発される可能性があります。
2.漢方薬療法
芍薬甘草湯 当帰芍薬散 加味逍遙散 桂枝茯苓丸などを処方します。
3.ブスコパン療法
ブスコパンの成分であるブチルスコポラミンは、医療現場では主にバリウムを飲む前の筋肉注射に使用されたり、胃痙攣を止めるなど内臓の動きを抑えるために用いられます。生理痛も子宮の筋収縮によって発生する痛みなので、ブチルスコポラミンにより子宮の筋収縮を抑え、生理痛が緩和されるという仕組みです。ブスコパン錠(10mg)を10~20mg/回を1日3~5回経口投与します。ブスコパン注(20mg)10~20mgを静脈内又は皮下、筋肉内に注射します。
4. LEP療法
4-1.フリウエル=ルナベル療法 薬代 3割負担 540円くらい
ULD製剤とLD製剤の2種類があります。ULD製剤を用いますが不正性器出血の副作用が強い場合LD製剤に変更することがあります ルナベルに含まれる第1世代黄体ホルモン:ノルエチステロン(NET)が含有されています。アンドロゲン作用があり筋力向上や活動性の向上や性欲減退に効果があるとの学説があります。
4-2.ヤーズ=ドロエチ療法 薬代 3割負担 680円くらい
第4世代黄体ホルモン:DRSP(ドロスピレノン)が含有されています。アンドロゲン作用が少なく肌荒れが起きにくいので米国ではニキビの治療薬として使われています。
4-3.ヤーズフレックス療法 薬代 3割負担 120日間で2350円くらい
ヤーズフレックス配合錠は、卵胞ホルモン(エストロゲン:E)と黄体ホルモン(プロゲスチン:P)の2つの有効成分が配合されたEP配合剤※1)のうち国内で初めて連続服用ができるようになったLEP製剤※2)です。血栓症などの副作用を軽減するために卵胞ホルモンの含有量は20μgまで抑えられており「超低用量LEP製剤」とも呼ばれています。ヤーズフレックス配合錠は、排卵を抑えることで、子宮内膜が厚くならないようにして痛みの原因となる物質の産生を抑えて、子宮内膜症の痛みや月経困難症の症状を和らげます。ヤーズフレックス配合錠は、国内で初めて連続服用が可能となったLEP製剤です。連続服用することにより定期的な休薬期間の回数を少なくし、休薬期間に多くみられるホルモン関連症状(骨盤痛、頭痛、腹部膨満感、乳房痛など)の減少が期待できるほか、28日周期で服用する場合に比べ、出血の回数および痛みを伴う出血日数の減少が期待できます。
4-4.ジェミーナ療法 薬代 3割負担 77日間服用 2370円くらい
月経困難症治療の第一選択薬の一つである低用量エストロゲン・プロゲスチン(LEP)配合剤を長期間安全に服用するためには、エストロゲンの低用量化やプロゲスチンの選択が重要となります。海外におけるこれまでの研究では、レボノルゲストレル(LNG)含有製剤において、血栓症リスクが相対的に低いと報告されています。日本では月経困難症を適応とするLNG含有EP配合剤は販売されていませんでしたが、ジェミーナ配合錠の登場し日本国内でのLNG含有EP配合剤が実現しました。また、EP配合剤の連続投与法は、周期投与法に比べ月経回数を減らすことにより疼痛を軽減するため、月経困難症に対する有効性が高いとされています。一方で周期投与法では、連続投与法に比べ破綻出血の発生が少ないという利点もあります。どちらの投与方法も選択可能な薬剤が望まれていました。このため、1種類の薬で周期投与法と連続投与法、両方の用法が使える、エチニルエストラジオール(EE)0.02mg+LNG 0.09mgを含有する超低用量EP配合剤が開発されました。
ジェミーナ配合錠の服用方法は、〈月経困難症〉の場合、次記のいずれかを選択することができます。
•1日1錠を毎日一定の時刻に21日間連続経口投与し、その後7日間休薬する。以上28日間を1周期とし、出血が終わっているか続いているかにかかわらず、29日目から次の周期を開始し、以後同様に繰り返す。
•1日1錠を毎日一定の時刻に77日間連続経口投与し、その後7日間休薬する。以上84日間を1周期とし、出血が終わっているか続いているかにかかわらず、85日目から次の周期を開始し、以後同様に繰り返す。
5. ジエノゲスト療法 薬代 3割負担 1か月1240円~870円くらい
ジエノゲストとは、黄体ホルモン剤で、子宮内膜症や子宮腺筋症や月経困難症に伴う痛みを改善します。
ジエノゲストは、黄体ホルモンの受容体に選択的に作用することで、卵巣機能を抑制し、子宮内膜の増殖を抑えます。子宮内膜症や子宮腺筋症にともなう痛みを改善する効果が発揮されます。
ジエノゲストはいわゆる「第4世代」の黄体ホルモン製剤です。ヤーズ=ドロエチと同じくアンドロゲン活性がない(=男性ホルモン作用がない)黄体ホルモン製剤となります。ニキビや肌荒れ、多毛などの副作用は少ないです。
ジエノゲストにはエストロゲンが含まれていないため、LEP製剤と異なり血栓症の副作用がほとんどありません。一方で不正性器出血の副作用があります。
6.デュファストン療法 薬代 3割負担 1か月180円くらい
妊活中で赤ちゃんが欲しい方で月経困難症や子宮内膜症の患者さんに処方 1回1錠 1日2回 10日分 月経第14日目から服用開始ジドロゲステロンとして、通常成人1日5~15mgを1~3回に分割経口投与する。子宮内膜症には1日5~20mgを経口投与する。
7.レルミナ療法(GnRHアンタゴニスト療法) 薬代 3割負担で1か月7300円
ジエノゲスト療法の治療効果が乏しい患者さんやジエノゲスト療法で不正世紀出血の副作用が非常に強く出現する方に投薬しています
8. リュープリン療法(GnRHアゴニスト療法)
リュープリンは、一般名がリュープロレリン酢酸塩という医療用医薬品で、主に子宮内膜症や子宮筋腫の症状の改善治療薬として使用されます。1か月に一度皮下注射を行い投与されます。6か月間しか使用できません。
9. ミレーナ療法
ミレーナは「子宮内黄体ホルモン放出システム」と呼ばれています。子宮の中に挿入する避妊リング(自費診療)として開発されました。ヨーロッパでは以前から子宮内膜症や子宮腺筋症に使用されていました。日本では過多月経の治療として保険適用があります。
ミレーナの特徴は、従来の避妊リングと異なり薬剤添加により、避妊効果を発揮します。子宮の中に挿入しておくと、極少量ずつ、レボノルゲストレルという黄体ホルモンが、徐々に5年間放出されてゆき、子宮内膜を薄くして妊娠を妨げます。子宮内膜を薄くするため、子宮内膜増殖症や子宮内膜症、子宮腺筋症に効果があることがあります。黄体ホルモンなので、血栓症のリスクも非常に少なく、高血圧の方、肥満の方、喫煙している方に使用しやすいという点が利点です。一度装着をすると5年間有効であり、最初の1年以内に性器出血が減少し、10人に2人の人は月経の出血がなくなるといわれています。このため生理痛が軽くなり、生理からも解放されます。排卵は起こりますが、子宮内膜が薄くなるため、避妊率は99.9%です。
10. ボンゾール療法
ボンゾールは、ダナゾールという成分を含む薬で、子宮内膜症や乳腺症の治療に使用されます。子宮内膜症の場合は、通常、成人にはダナゾールとして1日200〜400mgを2回に分け、月経周期第2〜5日より約4カ月間連続経口投与されます。症状により増量することがあります。
母乳外来・産後ケア
産後の育児に関するご相談やおっぱいのトラブル、赤ちゃんの気になる症状等ございましたら、婦人科外来にお越しください。
入院もできる産後ケアもございますのでお気軽にご相談ください。
当院の赤ちゃん健診は小児科医が行っております。
- 母乳外来
- 赤ちゃんの2週間健診(月・水・金曜日の13時半から)
- 赤ちゃんの1ヶ月健診(月・水・金曜日の13時半から)
- 赤ちゃんの2ヶ月健診(月・水・金曜日の13時半から)
- お母さんの1ヶ月健診(月・水・金曜日の13時半から)
- 育児相談
- 産後ケア入院のご相談
おっぱいケア
乳腺炎重症化予防ケアについて・
乳房ケアの費用について
乳腺炎における乳房マッサージは保険で受けることができます。診療報酬項目「乳腺炎重症化予防ケア・指導料」を用います。
現在連続4回まで、医師がケアおよび指導の必要性があると認めた場合に保険診療で受けられるようになりました。
- 【対象】入院中以外の乳腺炎の方、医師が乳房ケアの必要性を認めた場合
- 【日時】一般外来診療時間内(平日9時~16時)
- 【場所】産婦人科外来・母乳外来
- 【持ち物】診察券、健康保険証、清潔なフェイスタオル3枚程度
- 【費用】
初回 1,500円+診察料や処方料が加わり総計4000円程度
2~4回目 450円+診察料や処方料が加わり総計1000円程度
*3割自己負担金額の場合です。
5回目以降は自費診療となります。 4000~5000円(一般外来診療時間内)
乳腺炎は授乳中であればいつでも起こる可能性があります。
こんな時は受診しましょう。 熱が下がらなかったり、授乳しても乳房のはりが収まらない場合 乳房全体に腫れや赤みがあり、痛い場合 乳房に熱感や赤み、しこりがあり、授乳しても楽にならない場合 乳房の腫れや痛みに伴い発熱や倦怠感がある場合
正しい授乳姿勢で、授乳間隔を空け過ぎず、根気強く頻回に飲ませてあげましょう。
熱が下がらなかったり、授乳しても収まらない場合は、我慢せずにすぐに受診しましょう。
もし受診が遅ければ、化膿性乳腺炎となり、乳腺外科で病変の膿瘍部を切開し排膿するため入院や長期の外来通院が必要となります。
外来診療中の託児について
保育士が診察中お子様をお預かりします。
ご希望の方は受付や診察室内のクラークにお尋ねください。
対象:未就学児
※ 同伴者がいる場合は託児を利用できません。
※ 発熱など、感染症疑いのあるお子様のお預かりはできません。