出生前診断
クアトロテスト

クアトロテスト

クアトロテストとは、妊婦さんから採血した血液中の4つの成分を測定して、赤ちゃんがダウン症候群、18トリソミー、開放性神経管奇形である確率を算出するスクリーニング検査です。検査時期は妊娠15週0日~16週6日までに行っています。検査方法は妊婦さんの採血のみです。検査は米国のバイオテクノロジー企業であるLabCorp社に依頼しています。血液検体を米国に輸送するため事前予約が必須です。検査費用は3万6000円(消費税込み)です。
検査結果の所要日数は約10日間です。

この検査は特別な理由や強い検査の希望がある妊婦さんにだけ行う検査です。当院では検査を受ける前に必ず天ヶ瀬寛信理事長が検査の意義や限界についてご説明しますので、妊娠14週までにはカウンセリングの予約をお願いします。ご夫婦で十分に検査を受けるかどうか話し合い結論を出してから、クアトロテストを受けましょう。また検査の特殊性にかんがみ当院で分娩予約されている妊婦さんのみにクアトロテストを行っています。

クアトロテスト

クアトロテストよりも検査感度が高い非確定的検査として、母体血胎児染色体検査NIPT(妊娠10週-15週に検査を行う)や、超音波+血清マーカー組み合わせ検査(妊娠11週から13週に検査を行う)があります。また確定検査として羊水染色体検査(妊娠16週から18週に検査を行うことが多い)がありますが当院では行っていません。当院で行っていない出生前検査については施行している施設にご紹介可能です。

胎児超音波検査

「胎児超音波検査」

「お腹の赤ちゃんになにか異常はありませんか?」と問われる事は私たち産婦人科医にとって日常しばしば経験します。超音波検査は、妊婦健診での「通常超音波検査」と胎児の形態異常診断を目的にした「胎児超音波検査」の2種類があります。「胎児形態異常」を検出する目的は疾病罹患児の予後向上にあります。出生時に確認できる形態上の異常(胎児奇形)頻度は3~5%とされ、その原因は多岐にわたります。染色体異常は胎児疾患原因の約25%です。当院では検査を希望される妊婦さんに対して妊娠18~20週ごろと妊娠28週~31週の2回、「胎児スクリーニング」と呼んで妊婦健診と同時に「胎児超音波検査」を行っています。当院の胎児スクリーニング方法としては2015年と2016年に公表された日本産科婦人科学会周産期委員会が提言した胎児超音波検査の推奨するチェック項目に基づいて検査を行っています。本法によるスクリーニングで陽性の場合は精密検査による胎児診断(確定診断)が可能な施設に紹介しています。

胎児超音波検査

最後に本法の限界についてご説明します。
検査時に胎児が観察に適した位置や向きにない場合は異常が発見できないことがあります。
本スクリーニング検査で発見されない可能性の高い疾患には、口唇裂や多指症などの疾患、大血管転位症や肺動脈狭窄が強くないファロー四徴症などの先天性心疾患、小さい髄膜瘤(脊髄髄膜瘤)のように異常部分が小さく描出困難な疾患などがあります。また胎児の胸水、腹水、卵巣嚢胞、消化管閉鎖など、妊娠30週以降に発症・顕在化してくる疾患は発見できないことがあります。「胎児超音波検査」は胎児に対して非侵襲的ですが、検査感度は36~56%とされ発見率は決して高くはありません。発見に至る可能性が少ない疾患も存在する事を妊婦さんやご家族に事前に理解して頂きたく存じます。

デュアルSpO2スポットチェック

デュアルSpO2スポットチェック
~新生児の先天性心疾患の早期発見のために

生まれたての赤ちゃんが一見健康そうに見えるのに、出生後1週間後にショック状態になって総合病院の新生児科に救急搬送される事例があることをご存知ですか?
これは「動脈管性ショック」と言われている状態で、見た目はピンク色の赤ちゃんで健康そうなのに、胎児のときに使っていた「動脈管」という血管が生まれた後徐々に閉じていくことでショックが誘発される症状です。

このような「動脈管性ショック」となる重症の先天性心疾患があっても、出生直後の新生児の診察では心雑音や心不全症状が無いために、その診断は困難です。
もし心臓病による重症のショックが起こったら、おかあさんがたは大事な赤ちゃんの予期しない急変にひどく動揺されます。
でもこのような突然の赤ちゃんの病状が予知可能だとすればどうでしょうか?
多くのお母さんと赤ちゃんが救われます。

当院では大切なご家族を守るため、新生児の先天性心疾患の早期発見のためデュアルSpO2スポットチェックを行っています。使用機器には米国小児科学会のCCHDスクリーニングガイドラインと福岡市立こども病院のCCHDスクリーニングの手引きに基づいた設定をプログラムしています。米国では多くの州でこの検査が義務化されています。
出生前の胎児超音波スクリーニングでは見つからなかった、大血管転位症、大動脈縮窄症、大動脈離断症、新生児遷延性肺高血圧症、ファロー4徴症、総肺静脈還流異常などの先天性心疾患を新生児期に早期発見する為に非常に有益な検査です。
出生当日と第1生日、退院日に赤ちゃんにこの機器を接続する事により、「パス」「フェイル」「リチェック」の自動判定がなされます。当院では原則、全員の赤ちゃんに無料で検査をしております。

*すべての「動脈管性ショック」が予知できるわけではありません。
*心臓病や呼吸器疾患のすべてが予知できたり、診断できるわけではありません。
*上記説明に挙げた各心疾患が必ず診断できるわけではありません。

あまがせ産婦人科
4つの特徴